かつてはカットマンは松下浩二を始め粒高ラバーを使用するのが常識だったのですが、現在中国系のカットマンは表ソフトラバーを使用している選手が多いです。
※動画はポーランドオープンの試合です。
1995年で男子団体決勝で中国チームの秘密兵器として大活躍した丁松というカットマンがいましたが、彼が初めて表ソフトラバーを使用したカットマンだと思われます。
表ソフトラバーは普通は速攻型の選手が使うラバーなのですが、ナックルボールを出しやすいという特徴があります。粒高ラバーは強烈なバックスピンを生み出しますが、裏を返せば返ってくるボールにどのくらいの回転があるのかが読めてしまうと弱点があります。
しかし、表ソフトラバーは下回転とナックル回転を交互に繰り出すことが出来るので日本選手をはじめとして各国の選手はナックルカットが読めずに次々と敗れていきました。
福原愛も丁寧に繋いでチャンスボールを強打する戦術で戦いました。ミドルへの強打を織り交ぜ、堅実なプレーを見せましたが、敗れました。
范瑛はフォアだけでなくバックでも強打を打ってくるカットマンで、福原がツッツキで粘ってもそのツッツキはチャンスボールになってしまうわけです。動画でもツッツキを強打されて失点する場面が何度もありました。
フォアハンドの連続強打で相手を防戦一方に追い込みたいところですが、表ソフトでのナックルカットの変化が読めないのでオーバーミスやネットミスをしてしまいます。
攻めれば自滅、守れば打たれるという悪循環に陥ってしまいました。本当にやっかいなカットマンです。
今大会でナックルカットの餌食になったのは福原だけでなく、カット打ちの名手である平野早矢香や藤井寛子も含まれます。
日本女子チームには若手に谷岡あゆかと石垣優香という期待のカットマンがいるので彼女たちが中国選手に匹敵するナックルカット使いになることが期待されます。
日本女子チームで強烈なフォアドライブやスマッシュを打つ選手が少ないのは国内に強力なカットマンが育っていないからだと思います。これは男子にもいえることですが、カットマンと練習することで強力なドライブをマスターできるようになります。日本チームの急務はカットマンの育成かもしれません。
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