「ミスる気がしない」――自分の実力以上のボールが、勝手に相手コートに突き刺さる。
性能:★★★★★ コスパ:★★★★☆ 安定性:★★★★★
✅ おすすめ ・ネットミスを減らし、安定して深いドライブを打ちたい中級〜上級者 ・ディグニクスの回転量は欲しいが、もう少し楽に飛ばしたいプレイヤー ・インナーカーボンや木材ラケットとの組み合わせで安定感を追求したい方
❌ 注意 ・自分の力でボールを「叩く」ミート打ちを主体とする速攻型 ・極薄シートの扱い(ぶつけやすさ等)に不安がある方 ・オートマチックすぎる弾みに違和感を感じる硬派なプレイヤー
はじめに:バタフライが放つ「新時代の自動操縦」ラバー
2025年秋、卓球界に激震が走りました。バタフライから登場した『ザイア03(Zyre 03)』。これまでのディグニクスやテナジーとは一線を画す「オートマチックな性能」が、プロ・アマ問わず大きな注目を集めています。特に新技術「リコシート」と「スプリングスポンジX(55度)」の組み合わせは、これまでのラバー選びの常識を覆すものです。
今回は、プロ卓球選手の吉村真晴選手が自身のチャンネルで公開した「このラバーをどう使いこなすべきか」を徹底解説。動画内でのリアルな試打感覚から、カタログスペックだけでは見えてこない「ザイア03」の真の正体を深掘りします。
🔍 プロの視点 / ディープ解析
1. アマチュアが驚愕した「ミスの消滅」と高い弧線
動画内で試打を担当したアマチュアプレイヤーの第一声は、このラバーの性格をすべて物語っていました。
「これ、ミスる気がしないです。勝手にボールが上がって、しかも深く入る。」
この「勝手に上がる」感覚こそが、ザイア03の核心部である新技術「リコシート(Rico Sheet)」の恩恵です。粒の形状を限界まで低くし、シートを極限まで薄くすることで、スポンジの厚みを最大限に確保(2.7mm)。これにより、下回転に対してもラバーが自動的に高い弧線を描き、面白いようにネットを越えていきます。
2. 技術の核心:なぜ「面を寝かせる」必要があるのか?
しかし、性能が高すぎるゆえの注意点も存在します。吉村選手は、このラバーを最大限に活かすための調整方法として、非常に具体的なアドバイスを行っています。
「弧線が強い分、普段よりもラケットの面をしっかり寝かせて(被せて)打つのがコツ。ラバーを信じて思い切り振り抜けば、落ちる心配はありません。むしろ被せることでボールが鋭く沈み、相手にとって最も嫌な打球になります。」
これは、ザイア03の「高い弧線」という武器が、時としてオーバーミスの原因になることを示唆しています。プロの技術をもってしても「被せる」意識が必要なほど、このラバーの持ち上げ力は強烈なのです。
🏓 技術別の評価:吉村真晴が語る「ザイア03」の感触
ドライブ技術:安心感が生む攻撃性
ザイア03でのドライブは、「全力で振り抜ける」という精神的な安心感が最大の特徴です。「ネットにかかるかもしれない」という中級者特有の不安が解消されるため、より迷いのないスイングが可能になります。特に後陣からの引き合いでも、スポンジの厚みが活きてボールが失速せず、相手コートの隅々まで届きます。
サーブ・レシーブ:グリップ力の恩恵と課題
サーブ:リコシートの圧倒的なグリップ力により、薄いタッチでもしっかり回転がかかります。吉村選手のようなキレのある下回転サーブも、従来より少ない力で同等の回転量を生み出せると分析されます。
レシーブ:一方で、弾みが良いためツッツキやストップでは「当てるだけ」だと浮きやすいという側面もあります。自分から少し切る意識を持つか、極厚スポンジの反発をコントロールする繊細なタッチが必要です。
ブロック・カウンター:添えるだけのカウンター
相手の強打に対しても、ラバーの反発力と弧線が勝手に仕事をしてくれるため、ブロックがそのまま「攻めのブロック」になります。カウンター時には、吉村選手の勧める「面を寝かせる」技術が完成していれば、驚異的な威力のボールを台にねじ込むことができます。
📊 徹底比較:ザイア03 vs 競合モデル
バタフライの主要ラインナップと比較することで、ザイア03の位置づけを明確にします。
| 項目 | ザイア03 | ディグニクス09C | テナジー05 | グレイザー09C |
|---|---|---|---|---|
| 打球感 | 食い込んで弾く | 粘着特有の硬さ | 適度な硬さ | 食い込み重視 |
| 弧線の高さ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| スピード | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| スピン | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 安定性 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
🛡️ ラケットとの相性:成功する組み合わせ
インナーカーボンラケット(インナーフォースなど)
最も推奨される組み合わせです。木材の安心感でコントロールしつつ、インパクトの瞬間にザイア03の爆発力を解放する構成は、多くの中級プレイヤーにとって「最もミスを減らせる」選択肢になります。
アウターカーボンラケット(ビスカリア、張継科など)
上級者およびプロプレイヤー向けの構成です。吉村選手のような強いインパクトがあれば、史上最高レベルの威力とスピードを実現できます。ただし、面を寝かせるコントロール力がないと、オーバーミスを連発する諸刃の剣にもなり得ます。
⚠️ 不都合な真実:気をつけるべきデメリット
良い点ばかりではありません。ザイア03を導入する前に知っておくべきリスクについても触れておきます。
シートの物理的耐久性:リコシートは極限まで薄く設計されているため、台の角に強くぶつけた際、従来のラバーよりもシートが破れやすい、あるいは粒が欠けやすいという物理的な弱点がある可能性があります。より丁寧な扱いが求められます。
オートマチックさへの慣れ:「自分の実力以上に飛ぶ」ことはメリットですが、自分のスイングでボールをコントロールしたいという「硬派な感覚」を持つ選手には、予測不可能な弾みがストレスになる場合があります。
💡 結論:ザイア03は「買い」か?
「自分のスイングを信じたいが、結果が伴わない」「試合のここぞという場面でネットミスをしたくない」という願いを持つ方にとって、ザイア03は迷わず買いの一枚です。
2025年秋登場の最新モデル。55度のスプリングスポンジXによる圧倒的パワーと高い弧線を両立。
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